ロシアの核と内戦とその未来【記事翻訳、概要Ver.】
【本記事は、自己note記事↓の転載になります。】
今回の投稿は、以前投降したこちらの記事の概要バージョンになります。
博識なカミルさんが多くの知識を詰め込んでくださったインタビューなのですが、情報量が多いので、箇条書きで要点をまとめて再ツイートしています。
こちら↓
そんなわけで、こちらのスレッドもまとめておきます。
・見出しは全訳記事と同じです。
・実際はインタビュー形式ですが、ジョーダンさんの質問文はこちらでは省略させていただいています。
【以下要約】
ロシアと核兵器
・プーチン的にはウクライナに負けるよりも米国に負ける方が(国内では)世間体が良い。なので核を使うとしたら米国を関与させる目的もある。
・ただしロシアの技術はソフトもハードも海外の先進国頼り。必要なものを用意させない限りはメンテすらできない。(軍用機の墜落多数、ATM更新不可能etc...
先進国の対ロシア方針における過ち
・欧米の問題は視野が狭いこと。負けても現政権か取り巻きがロシアを支配すると思ってる
・ロシアは現代に生き残った『植民地化国家』。ロシアは非植民地化、解体されるべき
・だが各国代表はロシアの地方とは話をしようとしてしない
・今のロシアはポルトガル帝国がブラジルを支配しているようなもの
・ロシア現政権は崩壊に向かっているのだから現状で地位を持っている人間と繋がりをもっても意味はない
・今は現政権に借りがあってもそれが帳消しになって、負債者が権力を持つ可能性もある
・混乱は1年以内に起こる。それに備えるべき
プーチンと、それ以下の各階級との関係性
・ロシアは確かに過度に権力を中央に集約させた国だが、欧米各国もメディアもプーチンと取り巻きに注目しすぎ
・その外のエリートにも自我がある。彼らからすれば国が崩壊するならそうなる前に前に出来るだけ富を蓄えたい
・戦争の助けにならない無駄なプロジェクトで資金調達して横領に励んでいる
・プーチンは世論を敵に回したくないので不都合な決断は全部地方まかせ。ロックダウンも地方の決断に任せた
・動員もそう。具体的なやり方は地方に丸投げ
・結果、特に若い治世者は将来に備えて『動員してるフリ』でごまかしたりしてる
・別の政策を優先して意図的に妨害しようとしたりもしてる
・動員までは、プーチンは地方から徹底的に武力を奪って来た(刀狩的)。警察、FSB、捜査官、国防軍……全て地方には指示権がない。全部クレムリン直下。SPですら個人で持つのを許さない
・それが動員をきっかけに変わった。地方は軍隊を自前で編成してウクライナに送るように言われた。
・これを利用して、私有軍を編成したけどウクライナに送らないで内戦に備えている地方もある (ちゃんと送ってる例はチェチェンのカディロフ) (単純にお金がなくて遅れない地方もある)
・ワグネル以外にも、書類上は存在しない『民間軍事会社』(傭兵部隊)はたくさんロシアに存在する
・この『しらばっくれて私兵を準備してる』地方はいわゆるロシアの少数民族ではない。つまりロシア系が多数を占める地域も内戦に備えたりしてる
ロシア一般市民にとっての『特別軍事作戦』
・動員されたくなくて海外に逃げた人は必ずしも反プーチンなわけじゃない
・逃げた先で「あんたの国もロシアに加わるべきだ!」とか言ってる(草
・逃げた人は経済的に豊かで将来に希望を抱いている人。逃げなかった人はあきらめてる人が多い
・理想とする主義と戦争で死にたいかは別の話(意味不明だが
・この戦争は、歴史で初めて一般兵に報酬が支払われている。死亡補償もある。場所によってはこれは法外な値段
・これが理由で戦争を支持してる人も多い
・貧しい地方では『死亡補償バブル』で経済が動いたりしてる
・一人の女性が次々と兵士と結婚して(どんどん死んでいく)大金を手に入れたり
・しかしこれも賛同を得るための現政権の作戦で、この調子で払われ続けることはない
・多くの人は騙されることになる
・しかし動員自体はロシアの反対派を黙らせる効果もある(抵抗すれば前線送り
・現政権は動員を地方の少数民族を減らす手段として使っていたりもする
ロシアの敗戦後シナリオ
・ロシアがたどる可能性のあるルートは3つ
①『北朝鮮化』
②『再起動』
③『国家分裂』
①:『ドンバス化』とも言える。現実にドンバスの治世術はロシア本土に徐々に適用されつつある。軍国主義化、経済の国有化、男性人口を防弾土嚢として使い、法治制度の残りを抹消……プーチン存命ならこのルート
②:現政権が反対派に権力を持たせて制裁緩和を狙う。(プーチンに責任持たせてトカゲのしっぽ切り)ただし適役が居なそう。ウクライナでのふるまいを見てると可能性はさらに低くなってる。
③:一番ありそうなのがこれ。現政権が地方の支配を失う可能性は高い。戦争に負ければ権威を失うし暴力を治世に重用してきたツケが回って、自国内の兵力が「ウクライナ『ごとき』に負けた」現政権に反旗を翻してもおかしくなはい。
声なき者たちの声
(この6か月間ツイッターでロシア情勢について語り続け35万人のフォロワーを得た経験について)
・現状のメディアのロシア論説は不十分、中央ばかり注目して地方がカバーされていない。その場所を代表する人がいないから
・例えばナワリヌイは地方では危険視されている。少数民族を撲滅しかねないと
・近々自分のリサーチ会社を立ち上げる。最初の論文のを準備中
・特に標的にされている(民族粛清)地方の人々が動員を逃れるのをサポートするプロジェクトを立ち上げる。応援してくれたらうれしい
【概要以上】
お読みいただきありがとうございます。
元の記事には関連図やリンクなども載せてますので、そちらもどうぞご覧ください。
ではまた。
翻訳者、瀬道