せどうの作業部屋

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親露派のプロパガンダと対応策~ウクライナを応援しているひとへ【Part 2】

【本記事は自己note記事↓の転載です。】

note.com

 

今回の記事は、『プロパガンダ』の実態についてです。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

孫子・謀攻編

孫子のこの言葉はあまりに有名ですが、Part 1でお伝えしたとおり、ロシアが情報戦において大きな兵力を展開していることは疑う余地はありません。

その構成員たちは組織的に教育を受けており、役割を果たすための戦術を共有しています。犠牲にならないためには、それを理解しておく必要があります。

まずは、そもそもの前提からお伝えします。

そもそも『プロパガンダ』とは

この言葉の定義としては「特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為」とされています。「ほらこっちの方が正しい/良いよ~おいで~おいで~」と誘う行為のことです。

広い定義ではテレビの宣伝や広告、政治家の演説、団体への勧誘、学校教育などもプロパガンダと呼ぶことが出来ます。まっとうで有益な主張も、定義としてはこれに当てはまるのです。しかし現代では、「嘘、歪曲、情報操作、心理操作」といったネガティブなイメージで使われることが多い言葉です。

この言葉は、いくつかの分類に分けることができます。この分類を理解しておくと、親露派と遭遇した際や、ロシアの荒唐無稽な主張を目の当たりにした際にとても気持ちが楽になると思います。「なんと馬鹿なことを!」と感情的になって消耗する代わりに、「あー、~のカテゴリの~番ね?教科書通りだねぇ。頑張ってるねぇ(皮肉」と(笑)

なので是非、さらっとでもいいので概念を頭に入れておくのをお勧めします。

プロパガンダの分類

まず、大まかな分類が以下です。(By Wikipedia

皆さんも良く目にしたであろう、ロシアの明らかな嘘や滑稽ともいえる主張はブラックプロパガンダと呼ぶことが出来るでしょう。時には真実かどうかがあいまいなグレープロパガンダを採用していると思います。

↓↓↓ロシアのブラックプロパガンダの例。「ウクライナは汚染爆弾を作っている!」と主張したが、全くのでっち上げ。資料に使われている画像も、スロべニアの放射性廃棄物管理機関のものだった(写真にもスロベニア語が映っている)。

上記の例のようにカウンタープロパガンダとして多くの人物や団体がその嘘を暴いて拡散していますが、これは同時にホワイトプロパガンダと言えます。ウクライナの現状を伝え、ウクライナの人々の意思を代弁するゼレンスキー大統領の言葉もそうですね。

また、プロパガンダ目的別に分けることもできます。

  • 目的①:自勢力やその行動の支持を高める

  • 目的②:敵対勢力の支持を自らに向ける

  • 目的③:敵対勢力の支持やその行動を失墜させる

ロシアは自国民に向けては目的①プロパガンダを展開し、海外に向けては主に目的②と③プロパガンダを繰り広げています。

ウクライナを既に応援している身としては、目的③が一番関わってくるところでしょう。SNS上であなたに不快なコメントを送ってくるのはこれが目的なのです。

Part 1の繰り返しになりますが、これらの輩に絡まれた際の対策はブロック一択です。向こうの目的が貴方を消耗させることである以上、関わってしまえば思うつぼなのです。

また目的②の例として、ロシア人がウクライナ人のふりをして、「電気をつけろ!ゼレンスキーを黙らせろ!」のハッシュタグをつけて投稿を多数行っていたことがありました。

↓↓↓以下はこの件に言及しているディムコさんの投稿。(彼は親露派ではありません。話題に言及しているだけ)

これは、爆撃により計画停電を余儀なくされているウクライナ人の不便さに付け込み、「ゼレンスキーが戦争を続けるせいで私たちはこんなに苦しい思いをしている!ゼレンスキーを追い出してロシアとの和平交渉を進めさせよう!」という世論が存在すると見せかけ、賛同を得ようとしていたのです。

人々は騙されず、ウクライナの人々も全く感化されませんでしたが。(大失敗!)

更に詳しく説明をしていきたいのですが、長くなるので一旦この辺で区切ろうと思います。次回は、もう少し細かいプロパガンダの技術や手法をご紹介していきます。

補足になりますが、既に投稿した記事には、プロパガンダの例やそれを推し進めるロシアの思想が紹介されているものもあります。理解を深めたい方は、是非ご一読ください。

それでは、また次回。

執筆者、瀬道